昨年の秋頃の話だ。
他愛のない世間話が途切れた頃、工藤稜は神妙な面持ちで切り出した。
「とある依頼を受けたんだが、これを受けたら、僕は一生絵を描き続けなくてはいけなくなるんだ…」
「え? なんすかそれ?」
「モギくん、ペリーローダンって知ってるかい?」
「
宇宙英雄ペリーローダン」と言うSF小説がある。1961年にドイツで連載が開始されたそれは[世界最長のスペースオペラ小説シリーズ]と言われている。
私も実際に読んだ事はないが、タイトルと「やたら長いこと続いてるSFシリーズ」と言う事は知っていた。
「ペリーローダンってまだ続いてるんですか?」
「ああ、今361巻まで出てる」(日本では現時点で368巻)
「361巻…」
「月一くらいで新刊が出てるそうだ」(日本では今年から月2回刊)
「年に数巻とかならわかりますけど、まだそんなにハイペースで出てるんですか!?」
ハヤカワ文庫から刊行されてる日本語翻訳版は1971年の発刊以降、40年近く
依光隆氏がカバー絵を描き続けてきたが、二代目として工藤稜に白羽の矢が立ったのだった。
工藤稜は「これって『明日からサザエさんやって』と言われるようなものかもしれないなぁ…」と笑った。
画家、工藤稜が45歳にして挑戦する、長く険しくも、希望に満ち溢れた大冒険に最大限の幸運を祈りたい。
宇宙英雄ローダン・シリーズ 第368巻 『星間復讐者』 発売中
こんな長期の仕事始まったら、オタクロで体調崩されたりでもしたらどうしたらいいんだっ!www みんなで工藤の兄貴の体調管理をしなくてはっ!